LM386をBTLで試す

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 LM386というパワーアンプICがある。こいつは出力は300mWぐらいしかないけど一個80円ぐらいで買えるのがいい。というか安いぐらいしか取り柄の無いICといえる気がする。今日は手元にこれが2つあったのでBTL接続で鳴らしてみるという実験をやってみることにした。BTL接続の利点は同じアンプICを相互に接続することによって出力を二倍にできること、それとスピーカーの両端をICに接続するので直流カットのカップリングコンデンサをスピーカーとの間に挟まなくてもいい点だ。
 カップリングコンデンサは低音域を低下させるローパスフィルターの働きをするので無くせるのであれば無くした方が良い。例を挙げると、4Ωのスピーカーを繋いだ場合だと1000uFという大容量のコンデンサを使ったとしても、カットオフ周波数は40Hzにもなる。40Hzというと人間の可聴域は20Hz~20000Hzぐらいなので十分可聴域に入る、これは問題だ。一般的な楽曲の場合、良く耳にするで言うと5弦ベースの最低音B弦開放音は30Hzぐらいである。実際40Hz以下の音というのは(ちなみに四弦ベースの最低音E弦開放音は42Hzぐらい)フージョン、プログレ、テクノなどのインスト音楽ではわりと良く耳にする音である。バスドラムの音にも多分40Hz以下の音が含まれていると思う。(計ったことは無いけど。)

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 前回のLM380の時みたいに負帰還をかけて使おうと思ったのだけど、BTL接続にする場合どこに帰還させるのが良いのか良く分からなかったので、LTSpiceというシュミレータを使って動作をシュミレートした。LTSpiceは無料で使える電子回路シュミレータで、実際に回路を組む前はこれでよくシュミレーションする。
 
 肝心の音だけど、325mWx2で650mWしかないから音量上げるとすぐ歪む。LM380の時は2.5Wで十分だと思ったけど650mWじゃさすがに足りないな。音質はスピーカーがアレなので評価不可。でもちゃんとしたスピーカーに繋げてもどうせたいしたこと無いと思う。
 

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