2010年2月アーカイブ

シンプルなアンプを作る
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 ディスクリートでアンプを組んだ。前の共立のキットのデジタルアンプの音質にも不満は無かったのだけれど、スピーカーと出力段の間にコンデンサが挟まってるのが気に障ってしょうがなかったので、新たにアンプを組むことにした。

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回路図

 出力は6W+6W=12W(6Ωのスピーカの時)ぐらい。マンション住まいにとって20W以上のアンプは不要。
 増幅段はOPAMPを使わずにシンプルなエミッタ接地回路にした。出力は反転するのでスピーカーの+にはGNDを接続する必要がある。作動増幅回路等も検討したが、歪率よりノイズを優先でトランジスタ数を減らしたかった。出力段は特にどうということのないダーリントン接続のプッシュプル。VR1はバイアス電流調整用、VR2は出力段のDCオフセット調整用。
 電源が二系統あるのは増幅段の電圧を安定化したかったから、というのとパワー段の電源をフルスイングするために増幅段には少し大きめの電圧が必要だからという二点。そのため小容量高電圧、大容量低電圧のトランスが二つにすることにした。

  

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基板
 
 バイアス用のトランジスタQ3と出力段のQ4、Q5は熱的に結合させる。C8,9は積層フィルムコンデンサを使用。普通のフィルムコンデンサだと0.1uF以上の容量になるとバカみたいに大きくなるので使いづらい。その点積層タイプだと同容量の普通のモノと比べて1/10ぐらいの大きさですむのでスペース的に圧倒的有利。
 

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基板裏

 基本的に配線はリードの切れ端&AWG24の単線ケーブルを使用している。部分的チップ抵抗なんかも使っていてかなりビューリフォな感じ。


ケースに実装中の画像とか


cad_haiti.JPG

 基板のパーツの配置を考える時にEagleというフリーCADを使うのだけれど、基板以外にも使えることに気づいたのでケースの穴あけ位置を決める時にも使用するようになった。かなり楽チン。

 

drill.JPG

ana.JPG 穴あけの時に出来るバリをとるのに上の写真のようなビットを使うとすごく綺麗にバリが取れるのでおすすめ

RIMG0236.JPG 電源スイッチ取り付け用の穴を開けているところ、ミニ四駆の肉抜きの時ようにピンバイスで空けた穴をニッパーで繋げて開けるのだが、アルミ板相手にもこれでやる。せめてもう少し大きな径のドリルでやればよかったのに・・・1mm径のドリルでやるから結構な苦行だったorz 途中でドリル折れたし



amp_naibu.JPG 実装完了。電子ボリュームもあるのでボリュームも無し。配線はねじれるところはねじってみた。入力のRCAが二つあるのはヘッドフォンアンプ用のパススルー。実はこのケースを買う前に少し小さいケースを買ってしまってパーツが入りきらなかったのでケースが一個余る羽目になった。ちなみにこのケースは6000円ほど。ケースだけで他の全部のパーツの総額を超えていたりする。

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 デジタルアンプと聞き比べてみた・・・違いがわからん^^; でもまあ「自分で作ったアンプで音楽を聴いてるんだなー」という気分は良い。次はDACを作る予定。



PD0052

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 秋月で買ってから一度試して動かなかったので放置してあったDAI ICのPD0052が動いた。どうやらPLLの回路部分を適当に組んでいたのがいけなかったらしい。

 ネットを調べたらにPD0052についての情報もほとんど無いしまだ秋月では売ってるようなので気になってしまった人用に紹介。というかネット通販のページもやる気無さすぎ・・・売る気ゼロだろ。
 
PD0052の特徴
 
PD0052_akizuki_manual.jpg

買ったときについてくるデータシート的な紙

 
・秋月での販売価格は400円
・パッケージはシュリンクDIP(最悪)
・サンプリングレートは32、41.1、48KHzまで対応
・16ビット、20ビットに対応
 
 まあ昔のICなのだからだろうがしょぼいスペックだ。しかも入力も同軸入力をそのまま入力しても、そんな低振幅の信号では入力レベルを満足しないので、ロジックIC等を使ってTTLレベルまで増幅して入力してやらなければならない。しかもシュリンクDIPというパッケージが厄介で、これはDIPをちょっと小さくしたようなパッケージなのだけど、DIPとはピッチが違うので当然万能基板にはそのまま使えない。変換基板なんかももちろん売ってないようなマイナーなパッケージなので最初の写真のように足を広げて使う等工夫しなければいけない。
 
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 一応48KHzまで対応なのでDVDとかまでは対応できるので、PC用とかにはいいかもしれないが、それでもシュリンクDIPが厄介すぎるし、外付け部品も多くて面倒なので、結局少し高い金出しても普通にCS8416とか買ったほうがいい。

uPD6376 + AK4112B DAC

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 手持ちのICが余ってるのでまたDACを作った。チップ間の配線はポリウレタン線を使用。電源レギュレータは面実装の物を使った。TO-220の物と比べて高さがかなり減るので良い。
 
 最近は回路を組んでもわりと作ってから一発で動くことが多かったのだがAK4112Bには少し苦戦した。電源を投入してもBCKピンからクロックが出力されなかった。原因は起動直後の電源が不安定な時期に立ち上がってしまい、電源が安定してからもERRORフラグが立った状態だとPLLがONしないのでクロックが出ない。
Reset.png
 
 要するに電源が安定するまでRESETピンをLOWに固定しておけば電源が不安定な時期に起動してエラーになるようなこともないのでこのようにして起動から数m秒後立ち上がるようにしたら無事BCKからクロックが出るようになった。
 
 
ak4112bdac_case.jpg
 
LEDはERRORフラグが出ていないときに光るようにした。